静寂に包まれ、手つかずのまま残る美しい湿原。ここでは、ワタスゲ（Eriophorum vaginatum）、モウセンゴケ（Drosera rotundifolia）、ヨーロッパダケカンバ（Betula pubescens）といった、古代から変わらぬ姿を今に伝える貴重な植物たちに出会えます。ラトビア各地に点在する湿原の分布図を見ると、私たちと自然との深い絆を感じさせてくれます。
何世紀もの間、湿原は魅惑的でありながら、時には神秘的な恐れをも感じさせる場所でもあります。善と悪、光と影が交錯するこの場所には、常に「敬意を持って接すべき場所」という共通の認識が息づいています。
湿原に生息するマーシュラブラドルティー（Ledum palustre）の魅惑的な香りは、どこから漂ってくるのでしょうか？ラトビアの心に深く根ざしたクランベリーやリンゴンベリーは、どこで育っているのでしょうか？手摘みで収穫されたこれらの自然の恵みは、ほとんどすべての家庭で親しまれています。そして、求愛期に鶴たちが舞い踊る場所はどこにあるのでしょうか？ 湿原は、こうしたすべての問いにそっと答えてくれる場所なのです。
湿原は単なる風景の一部ではなく、ラトビアのアイデンティティそのもの。 困難に立ち向かい、予期しない場所にこそ価値を見出す力を象徴しています。この湿原は、心を癒し、自然とのつながりを深めるための特別な場所です。
