輸出

国土の50％以上を占める広大な森林（世界の平均のほぼ2倍）に覆われたラトビアにおいて林業は経済の基盤の一つであり、主要な輸出部門です。国内林業部門の生産量の約73％が輸出されています。

ラトビアでは、木材はしばしば国の「緑の金」と呼ばれています。

ラトビアの森林は状態がよく、他の木材輸出国に対して大きくリードしています。森林の約46％は国有であり、国営株式会社Latvijas Valsts Meži（ラトビア国有林管理公社）によって管理されています。同社は民間の森林所有者とともに森林再生を最優先事項としています。

製材、木材、燃料用木材、パーティクルボード、木工製品などの木材製品の輸出において、ラトビアは世界を牽引する国の一つです。ラトビアにおける林業輸出の価値は年々成長しており、2021年には林業製品の輸出額が36億ユーロに達し、国の総輸出額の22％を占めました。

また、針葉樹製材、白樺合板、OSB合板、木質ペレットの輸出において、世界トップ10の地位を確立しています。

ラトビア木工製品の主要輸入国 トップ3：

• イギリス
• スウェーデン
• ドイツ

Latvijas Finierisは、高性能白樺合板を用いた製品ソリューションの開発、製造、供給において業界を牽引する企業です。1992年の設立以来、ラトビア、エストニア、フィンランド、リトアニアに生産拠点を構え、世界各地に12の製品開発・販売拠点を展開しています。2022年には木材加工分野におけるラトビアの知識集約型バイオエコノミー輸出リーダーに選出されました。同社は世界約70カ国に製品を輸出しています。

ラトビアの化学、製薬、バイオテクノロジー産業は、長年にわたる化学分野の伝統を背景に、常に革新と高付加価値の製品およびサービスの源泉となってきました。

業界データによると、ラトビアで製造された製品の約83％が輸出されています。主要な輸出企業としては、製薬会社のOlainfarmとGrindeks、欧州屈指のガラス繊維メーカーValmieras Stikla Šķiedra、そして著名なオーガニックスキンケア・コスメブランドMADARA Cosmeticsなどが挙げられます。

Grindeksはバルト三国における製薬業界を代表する製薬企業であり、90カ国以上に製品を輸出しています。同社の主力製品には、抗虚血薬メルドニウムや、がん治療に使用されるテガフールなどがあります。

化学、製薬、バイオテクノロジー分野はラトビアの主要な輸出産業であると同時に、最先端の研究開発を通じて高付加価値を生み出す重要な役割を担っています：

• Latvian Biomedicine Research and Study Center（ラトビア生物医学研究センター）はライム病に対するプロトタイプワクチンの開発に取り組んでいます。
• Latvian Institute of Organic Synthesis（ラトビア有機合成研究所）は、18種類の承認済みオリジナル医薬品に加え、既知の医薬品の独自製法を70種類以上発明・共同発明した実績を有しています。
• Biosanはライフサイエンス分野における試料の調製・分析において世界をリードする企業の一つです。

ラトビアは、バルト三国の中で製薬分野における雇用シェアが最大です。

ラトビアの化学製品の主要輸入国 トップ3：

• リトアニア
• エストニア
• オランダ

MADARA Cosmeticsはラトビアのナチュラル・オーガニック化粧品メーカーで、国際的なECOCERTとCosmos規格および化粧品GMP規格による認証を受けています。2006年の設立以来、MADARA Cosmeticsは環境に配慮した持続可能な方法でラトビアの自然派製品を国際市場に展開し、顕著な成功を収めています。

同社は欧州議会が主催する欧州ロールモデル賞を受賞し、世界知的所有権機関から2020年知的財産企業トロフィーを受賞しました。MADARAのスキンケアおよびメイクアップ製品は35カ国以上の国々に輸出されています。同社は2017年にNasdaq Baltic証券取引所において新規株式公開を行いました。

2005年以降、ラトビアの電子機器・電気工学産業は生産量が3倍に増加し、輸出比率も継続的に拡大しており、国際市場における競争力を高めています。業界の主要な輸出企業は以下の通りです：

• MikroTik – ネットワークハードウェアおよびソフトウェア機器メーカー
• SAF Tehnika – デジタルマイクロ波データ伝送装置の設計・製造・販売企業
• RER – バルト三国最大の電気輸送用駆動装置・ソリューションメーカー

電気・光学機器の製造は、2010年以降ラトビアで最も急速に成長している製造分野であり、総製造生産高に占める割合は、2009年の3.7%から2021年には8.5%に増加しました。

ラトビア企業は、高付加価値のニッチ製品製造に特化しています。豊富な研究開発人材を擁し、知的資本という最も価値のあるリソースを最大限に活用することに取り組んでいます。

主な輸出製品は、ラジオ、テレビ、電気通信、データ伝送機器、電子部品、大電流電気技術・計器・自動化機器、コンピュータ機器などです。

ラトビアの電子製品の主要輸入国 トップ3：

• アメリカ
• フランス
• デンマーク

MikroTik (Mikrotīkls) は、ラトビアにおいて最も高い収益を誇る企業の一つです。インターネット接続ソリューションを提供するハードウェアおよびソフトウェア製品を世界中の広範な国々へ輸出しており、最大の輸出市場はアメリカです。同社の製品ラインナップは250種類以上に及び、世界800社以上の販売代理店を通じて流通・再販されています。MikroTikの顧客には、CERN、Vodafone、エリクソン、NASA、三菱自動車、Motorola、Siemensなどの企業や組織が含まれます。

食品および飲料産業はラトビアで2番目に大きな産業部門です。ヨーロッパ市場はラトビアの食品および飲料産業輸出の最も重要な部分を占めており、チーズ、バター、牛乳、魚の缶詰、果物とベリーの加工品、ピクルス、さまざまな穀物、肉製品、菓子、アルコールとノンアルコール飲料などの製品が消費されています。主な輸出製品群は以下の通りです：

• シリアル、パンや焼き菓子
• 飲料、スピリッツ
• 乳製品

ラトビアは一人当たりのクランベリー生産量が世界第5位です。

また、欧州で有機農業用地の割合が最も高い国の一つであり、有機畜産では第2位、有機野菜生産では第4位です。さらに、一人当たりのライ麦・小麦生産量ではEU諸国中第2位にランクインしています。

ラトビアの主要産業輸出企業には、穀物加工会社Dobeles Dzirnavnieks、バルト三国を代表するアイスクリーム製造企業Food Union、バルト三国を代表するアルコール飲料メーカー Latvijas Balzams、北ヨーロッパ最大の卵・卵製品メーカーBalticovoなどがあります。

ラトビアの食品と飲料の主要輸入国 トップ3：

• リトアニア
• ドイツ
• エストニア

Dobeles Dzirnavnieksはバルト三国における主要な穀物加工企業であり、北ヨーロッパ最大のパスタ製造企業としても知られています。同社はパスタ製品に加え、多様な種類の小麦粉、小麦粉ミックス、シリアルフレーク、およびオーガニック製品を幅広く展開しています。欧州、アジア、アフリカ、南米を含む70以上の国々へ製品を輸出しており、近年、輸出売上高をほぼ倍増させるというめざましい成長を遂げています。

ラトビアのGroglass社が製造するArtglassは、ルーブル美術館、デン・ハーグ市美術館、アムステルダム国立美術館など、世界中の無数の美術館やギャラリーの芸術作品の保護に貢献しています。また、同社の反射防止技術を駆使した「透明」ガラスは、マドリードのHugo Boss、ベルリンのApple、シカゴのDiorなど、世界中の高級ブランド店舗のショーウィンドウに採用されています。

風洞建設会社のAerodium社によるカスタムメイドの飛行ソリューションは、2016年の導入以来最も人気のあるショーの一つを実現させました。30分間のショー「アイ・オブ・ザ・ストーム：キャプテン・ジャックのスタント・スペクタキュラー」は、上海ディズニーランドで必見のショーの一つとして今もなお高く評価されています。

ラトビアの木製家具メーカー、Daiļrade Koksは、アメリカの持続可能な子供向けライフスタイルブランドでありフランスの顧客に非常に人気なOeufの家具を製造しています。Oeufの他にも、いくつかのドイツの小売業者や他の企業向けの家具も製造しています。

ラトビアの産業用LED照明製品メーカーであるVizulo社は、文字通り「街に名前が刻まれている」と言えます。同社の照明製品は、アイスランドの首都レイキャビクの街路を含む、世界中の多くの都市で使用されています。